妊活の前にチェック!医療保険はきちんと加入していますか?妊娠中に保険加入するデメリット
なっちゃんも、もしものことがあるかもしれないし、帝王切開は給付金の対象になるみたいだから、保険を見直してみようか~
今、加入している保険ってどんな条件だったかしら。
なっちゃんは妊娠前に保険に加入しているから今入っている保険を確認してみるといいポヨ!
もし、心配なら妊娠中でも加入できる短期の保険もあるみたいポヨ!
知らなかったわ!
早い段階で見直したり、加入を検討するのが良いポヨ!
目次
1.医療保険とは
医療保険とは、生命保険の一つで、主に病気やケガによる入院や手術を受けた場合に給付金が支払われる保険です。
入院したら1日につき5,000円、手術したら1回につき入院日額の20倍などと計算されます。
また、オプション(特約といいます)として、先進医療特約や、三大疾病の時に100万円といった高額なお金が入ってくるような特約、一定期間入院がなければお祝い金がもらえる特約などがあり、加入する人が『これは必要だな』と思う特約を、加入時に付けることができます。
保険料は、20代だと毎月1,500円程度ですむ場合もあれば、年齢が高かったり特約をたくさんつけたりするとそれだけ保険料はかさみます。
特約を多くつけると、それだけ保障される範囲が広くなるため、保険料が高くなります。
加入時の年齢が高いと、それだけ病気になるリスクが高くなるので、保険料は高くなります。
入院や手術といっても、公的保険(健康保険制度)の対象となる入院した場合に限られていることが多く、通常分娩や美容整形の手術などは給付の対象外になっています。
医療保険は保険期間(保険の有効期間のことです)によって2つのタイプがあります。
それは、【定期医療保険】と【終身医療保険】です。
1-1.定期医療保険
定期医療保険は、保険期間が一定期間のみの医療保険のことをいいます。
たとえば10年や15年といった期間だけの保障です。
保険期間が終わると保障がなくなるか、【更新】といって継続することができるかのどちらかのパターンがあります。
更新されるとどうなるかというと、更新時の年齢で保険料が再計算されます。
契約時よりも更新時は年齢が上がっているため、病気になる確率も上がり、更新後の保険料は上がります。
そして、80歳や90歳(保険会社によって異なります)で、保険は消滅してしまいます。
定期医療保険は、加入時の保険料は終身保険よりも安いというメリットがありますが、更新を繰り返すたびに保険料が上がるというデメリットがあります。
1-2.終身医療保険
一方、終身医療保険は、一生涯続く医療保険のことです。
加入してから死ぬまで保障が続きます。
また、その間、保険料が変わりません。
加入時の保険料は、定期保険よりも割高なのがデメリットですが、一生涯保険料が変わらないのがメリットになります。
参考: 生命保険文化センター『医療保険』
2.妊娠、出産時の入院や手術は医療保険の給付対象外?
一般的に、医療保険の給付金は、『公的保険の対象になる治療を目的として入院や手術を受けた時』に支払われます。
ということは、公的保険、つまり健康保険の対象となる治療でなければ給付対象外になります。
妊娠や出産は病気ではないため、妊娠や出産に関しては健康保険の適応外です。
だから妊婦健診代や出産費用は全額自己負担なんです。
しかし、出産費用は出産一時金が給付されます。
また、自治体によっては健診代の補助があるので、全額自己負担とはいえ経済的負担をある程度抑えられます。
となると、出産による入院や医療保険の給付金対象外になってしまうんです。
では、すべての妊娠・出産にまつわる入院や手術は、医療保険の給付対象外かというと、そうではないんです。
妊娠中や出産時には様々なトラブルが起こる可能性があります。
それによって、病院での治療が必要になることもあります。
2-1.帝王切開
たとえば、帝王切開は分娩方法の一つになっていますが、これはれっきとした手術にあたります。
正常分娩(経腟分娩)は、健康保険の対象外のため、入院・手術給付金の対象外になりますが、帝王切開は手術のため入院・手術給付金の対象になります。
2-2.吸引分娩
また、吸引分娩といって、赤ちゃんの頭を専用の器具で出てきやすいように処置する場合も手術給付金対象となる場合もあります。
2-3.会陰切開、会陰裂創
赤ちゃんが出てきやすいように、あらかじめ出口を切って広げる会陰切開という処置があります。
この場合は、手術にはあたらないため、医療保険の手術給付金の対象になりません。
しかし、分娩時に会陰が裂けてしまい(会陰裂創といいます)縫合をした場合には、わかりやすく言えば『出産時のケガを処置した』ことになるため、手術給付金対象になることもあります。
2-4.筆者の例: 前期破水
私の経験ですが、出産時、陣痛が来る前に破水してしまう『前期破水』が起こりました。
破水してしまうと、無菌状態の羊水が外の世界に触れてしまうので、赤ちゃんが細菌感染してしまうリスクがあります。
そこで、前期破水した場合はすぐに入院し、なるべく早く赤ちゃんを外に出してあげないといけません。
私も前期破水したのちすぐに入院し、その2日後に出産しました。
退院後に給付金請求したところ、前期破水による入院は医師による投薬治療(細菌感染を防ぐために抗生物質が投与されます)が必要のため、入院給付金の対象になりました。
ただし、これらの事例は、加入している医療保険によって適応かどうかが請求してみないとわかりません。
請求には医師の診断書が必要になりますが、給付金の支払いは医師の診断書や医療保険の商品、約款で判断されるため、必ず給付がもらえるとは限りませんので注意が必要です。
妊娠・出産経験のある私が言えることは、妊娠や出産は病気ではないとはいえ、トラブルが起こりがちですし、本当に【命がけ】です。
妊娠前の、健康なうちに医療保険は備えておくのがいいと思いました。
3.妊娠中に医療保険に加入するデメリット
なぜ、妊娠前に医療保険に加入する必要があるんでしょうか。
それは、妊娠・出産には帝王切開だけでなく、いろいろな医療リスクがあり、妊娠中に医療保険に加入する場合は、多くの保険会社では【妊娠・出産時の入院・手術の給付は対象外】という条件がついてしまいます。
では、妊娠・出産の医療リスクにはどのようなものがあるんでしょうか。
3-1.妊娠悪阻
たとえば、妊娠初期によくあるつわりですが、ひどい方だと水すら飲めない【妊娠悪阻】というものになってしまいます。
すると、体が脱水症状を起こし、赤ちゃんだけでなく母体にも悪影響があり、症状によっては入院して点滴などで治療する人もいます。
3-2.安定期以降のリスク
また、安定期以降も油断できません。
もともと子宮筋腫を持っていると、筋腫が子宮の血流を妨げてしまい、流産を引き起こすこともあります。
3-3.子宮頸管無力症
また、子宮頸管無力症といって、お腹がおおきくなるにつれて子宮口も開いてしまい、流産につながる場合もあります。
3-4.早期胎盤剥離
妊娠後期になると、予定より早く産まれてしまう場合や、早期胎盤剥離と言って胎盤がはがれてしまい母子ともに危険になることもあります。
3-5.逆子
逆子の場合には、帝王切開で出産することもありますし、一度帝王切開すると、子宮を手術で切開してしまっているため、第二子以降の出産も帝王切開することになります。
妊娠・出産は病気ではないとはいえ、様々な入院治療するリスクが高くなってしまいます。
保険は、加入者間で健康状態が公平でないといけません。
しかし、一人でもリスクが高い(給付金を受け取る確率が高い)人がいると、加入者間で不公平が生じてしまいます。
そのため、妊娠中に医療保険に加入すると、妊娠・出産時の入院・手術給付金の対象外になることが多いのです。
4.加入するならいつがいい?
じゃあ、いつ加入するのがいいかというと、妊娠していない今です。
結婚したら保険を見直す方も多いかと思いますが、たいていの場合、世帯主(夫の場合が多いでしょうか)の保険を見直すことが多く、妻の保険は後回しにされがちです。
しかし、妊娠する時期は正直わからないものです。
そして、これを読んでくださっている方は、妊活を考えているか妊活中かということで、いつ妊娠しても大丈夫!という方だと思います。
医療保険は妊娠・出産時だけでなく、それ以降も役に立っていくものです。
『医療保険は加入している』という方も、どんな時にいくら受け取れるのか、保障はいつまで続くのか、といったことだけは今のうちに確認しておくのをおすすめします。
ただ、ここで注意があります。
妊活ということで、婦人科でなんらかの治療や投薬を受けている方は、加入が難しい、または給付が制限されるなどの条件が付くこともあります。
また、不妊治療で定期的に検査を行っていたりする場合は、保険の加入時に保険会社に提出する『告知書』にその旨を記入しないといけません。
保険は、『今は何もトラブルがないけれども、今後起こるかもしれないリスクに対して備えておくもの』です。
医療保険は健康なうちに加入しておくことが原則になります。
不妊治療に限らず、今までの病気やケガについても正直に記入してくださいね。
もし、過去の病歴を隠したり、嘘を書いたりすると、不思議なことに必ずばれてしまい、『告知義務違反』として、保険の契約が解除されてしまいますので注意してください。
5.妊娠中でも加入でき、出産時の給付金を受け取れる医療保険のメリットとデメリット
妊娠中でも加入でき、出産時も給付金を受け取れる医療保険も発売されています。
少額短期保険といって、一般的に知られている保険会社(ニッセイやソニーなど)とは少し違うタイプの保険です。
参考: ご妊娠、妊婦さんの医療保険(エイ・ワン少額短期保険株式会社)
保障内容は、入院保険金(1日あたり〇〇〇円)、入院一時金(入院保険金の日額の5倍)、手術一時金(入院保険金の日額の10倍)のみになっています。
入院保険金は、日額5,000円コースと日額7,000円コースの2つがあります。
保険料は、年齢区分によって異なり、年齢が上がると保険料も上がります。
保険期間は1年間になっています。
妊娠中も加入できますが、妊娠32週までに加入することが原則です。
加入時点で異常分娩の可能性や帝王切開の予定がない場合は、出産時に帝王切開になっても保険金を受け取ることができます。
妊娠中でも加入できて保障もあることがこの保険のメリットですが、年齢区分が上がると保険料も上がって、高齢になればなるほどかなりの保険料負担になることがデメリットになっています。
もし、妊娠していて他の医療保険では給付金が出ないなどの条件が付いてしまう場合には、いったんこの保険に加入し、出産後の健康状態が問題なければ他の保険会社の医療保険に加入する、という方法をとるのも良いでしょう。