え!私もなるかも!?妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)は痩せてる妊婦も要注意!
今は「妊娠高血圧症候群」っていうらしいんだけど…
産婦人科でも聞くし、検診の時はちゃんと血圧測るよ~
赤ちゃんのためにも気を付けないとね。
胎盤の血管の異常が妊娠高血圧症候群の原因といわれてるから、妊娠初期から葉酸サプリを欠かさず飲むといいポヨ!
特に太り気味の方は注意するように言われることも多いかと思います。
ですが、実は妊娠高血圧症候群(以前は妊娠中毒症と呼ばれていました)は太っている人だけでなく、痩せている人もなる可能性のある病気だったりします。
ここでは、妊娠高血圧症候群について詳しくお話ししたいと思います。
目次
1.妊娠高血圧症候群症ってなに?
妊娠高血圧症候群は「妊娠20週以降、分娩後12週まで高血圧がみられる場合、または、高血圧に蛋白尿を伴う場合のいずれかで、かつこれらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によるものでないもの」と定義されています。
簡単に言うと、妊娠20週~出産後12週後までに高血圧になったり、高血圧+尿にたんぱくが出たりする病気です。
ここまで読むと、高血圧とたんぱく尿があるからなんなんだろうと思われるかもしれないですが、実はそういう症状が出る裏には体の中で恐ろしいことが起こっていたりします。
2.妊娠高血圧症候群の原因
妊娠高血圧症候群の原因とされているのが、胎盤の血管の異常です。
胎盤ができる時に血管がうまく作られないまま完成してしまい、通りの悪い血管になんとか血液を通して赤ちゃんに栄養を送ろうとするのですが、血管やそれに関連するところが疲れたり、過剰に働いてしまったりとどんどん異常を起こしていって、高血圧やたんぱく尿といった症状が出てくるのではないかと言われています。
高血圧やたんぱく尿は、からだからの危ないよというサインなので、それを放置するとさらに恐ろしい病気に進行していくのが妊娠高血圧症候群の怖いところです。
最悪、赤ちゃんもお母さんも命の危険を伴います。
3.痩せている人でもなるの?
原因を見て頂ければわかるように、胎盤の血管の異常が原因なので、太っている人にも痩せている人にも起こります。
確かに太っている人のほうがなりやすい病気ではありますが、誰でもなる可能性のある病気であることを覚えておいて下さい。
4.リスクの高い人ってどんな人?
下記のような方は、妊娠高血圧症候群の危険性が高いことを知っておきましょう。
- 糖尿病、高血圧、腎臓の病気などを元々持っている人
- 太っている人
- 40歳以上の人
- 家族に高血圧の人がいる人
- 双子などの多胎妊娠
- 初めてのお産の人(初産婦さん)
- 以前に妊娠高血圧症候群になったことのある人
5.重症になったらどうなるの?
重症の妊娠高血圧症候群になると、様々な重篤な病気を引き起こします。
高血圧によっておこる脳へのダメージから子癇発作(致死率の高いけいれん発作)や脳出血を起こしたり、血液成分の異常からHELLP症候群(血液成分の異常・肝機能の異常などを起こす致死率の高い病気)、常位胎盤早期剥離(産後に剥がれるはずの胎盤が産前にはがれ大出血を起こす病気)など、母子共に命の危険が伴う病気になる可能性が上がります。
また、赤ちゃんの発育にも影響があり、発育不全のため早い週数で帝王切開をする必要性が出てくる場合もあります。
6.産後はどうなるの?
妊娠高血圧症候群は、赤ちゃんを出産することで状態が良くなります。
産後は多くの場合、高血圧などの症状は落ち着きますが、正常経過の妊娠であった人と比べて、産後数十年たって、高血圧、脳血管障害、虚血性心疾患、糖尿病、脂質異常症などのメタボリックシンドローム(代謝異常症候群)や腎疾患などが見つかる頻度が高いことが報告されているので、定期的に健康診断を受けることが望ましいです。
もし出産後84日以上、血圧が高い状態や尿にタンパクが出続ける場合は、ほかの病気がないかどうか詳しく調べる必要があるとされています。
7.まとめ
妊娠高血圧症候群はどの妊婦さんにも起こりうる病気です。
重篤な病気を引き起こす可能性があるため、早期に治療を開始することが大切です。
妊娠高血圧症候群の初期は自覚症状があまりないため、妊婦健診での尿検査や血圧測定によって気づかれることがほとんどです。
そのため、妊婦健診は産婦人科医師の指定する間隔で必ず受診するようにしましょう。