葉酸を食事ではなくサプリメントで摂取するメリット・デメリット
サプリで葉酸を摂ることっていいことばかりなの?悪いことはないの?
《メリット》
- 食事から摂取するよりも、生体利用率が高い
- つわりで食欲がなくてもサプリなら摂りやすい
- 偏食傾向の方、外出先などでも手軽に葉酸を摂取できる
《デメリット》
- 飲み忘れがないように意識することが必要
- 過剰摂取にならないように注意が必要
- 健康保険対象外のため、金銭的に負担がある
詳しくは下にまとめたから読んで欲しいポヨ!
すなわち葉酸サプリメントを活用しなさい、ということ。
ですが、サプリメントをこれまで摂ったことがない、という方にとっては、安全性など気になることもありますよね。
ここでは、葉酸サプリメントから葉酸を摂取することのメリット・デメリットを挙げます。
葉酸サプリメントのメリット

そのため、毎日摂取しなければなりません。また、葉酸の特徴として、熱に弱く調理で壊されやすく、生体利用率が50%と、食品から摂取しても半分しか体で利用できないのです。
葉酸は緑黄色野菜や果物、鶏・豚・牛などのレバーなど多くの食品に含まれていますが、推奨摂取量を満たすには、相当な量の食品を摂取しなければなりません。
妊婦の食品からの葉酸摂取量を調査(引用:葉酸普及研究会│葉酸認知率とサプリメント内服率の変化)したところ、1日当たり300~360μg(0.3~0.36mg)であり、厚生労働省の推奨する480μg(0.48mg)と比べると不足していました。
特に妊娠前期の平均値は284μg/日(0.28mg)と妊娠時期のなかで最も低かったのです。
これでは、神経管閉鎖障害の予防に必要な葉酸摂取量に到底及ばないのです。
確実に必要な葉酸量を摂取したい、となると、サプリメントを使うことは有用なのです。
その理由は、まず葉酸サプリメントの場合、生体利用率が高いということが挙げられます。
自然食品中の葉酸(プテロイルポリグルタミン酸)は先に述べたように生体利用率が50%であるのに対し、サプリメントに含まれる化学合成された葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)では85%と生体利用効率が高いのです。
葉酸サプリメントの場合では、摂取量が少なかったら神経管閉鎖障害が心配だから念のため…と多めに摂取する必要はありません。
また、妊娠初期の悪阻の時期に食欲がなくなり、食事の支度ですら困難な場合もあると思いますが、サプリメントであれば何とか摂取できます。
そして、サプリメントは最近ではドラッグストアやコンビニエンスストアで簡単に購入でき、病院を受診するなどの面倒はありません。
さらに、サプリメントは自分の好きなタイミングで摂取ができ、外出時には持ち運ぶこともできるので、外食で不足しがちな葉酸をしっかり摂取できます。
何よりも、たくさんの食品を無理して食べなくても良いので、料理が苦手な方や偏食傾向の方、悪阻が辛い方でもサプリメントであれば不足なく葉酸を摂取できるのです。
葉酸サプリメントのデメリット

残念ながら、いくつかあります。葉酸サプリメントのデメリットは、まず、服用を忘れてしまうと葉酸不足に陥りやすい、ということです。
サプリメント摂取は簡便な方法ですが、服用しなければ始まりません。
普段、薬を服用する習慣がない方、また仕事で多忙な日など…、ついうっかり飲み忘れてしまうことがあると思います。
筆者も妊活のため葉酸サプリメントを毎朝服用していますが、感冒薬などと違って辛い症状があるわけでもないので、ついうっかり飲み忘れ、お昼に気付いて慌てて服用する、ということがあります。
服用タイミングを決めておき、飲み忘れを防ぎたいものです。
また、普段の食生活でも葉酸の多く含む食品の摂取を心掛け、サプリメント頼みになりすぎないようにすることも大切ですね。
逆に、葉酸の過剰摂取につながりやすい、というデメリットもあります。
厚労省が発表した報告書「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」では、栄養補助食品はその簡便性から過剰摂取につながりやすいこと、葉酸摂取量が1日当たり1mgを超えるべきではないこと、栄養補助食品を利用することが日常の食生活のあり方に対する安易な姿勢につながらないように、と注意を促しています。
引用: 神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について
葉酸の過剰摂取では、発熱、蕁麻疹、かゆみ、呼吸障害などの過敏症が起きる恐れがあるため、注意が必要です。
葉酸サプリメントは簡単に摂取できるので、数日分まとめて摂取したり、摂取したかどうか忘れて重ねて摂取したり、「薬が効きやすい体質だから減らそう」「神経管閉鎖障害が心配だから多めに摂っておこう」といったように、自己判断で用法・用量を変えてしまう危険性があるのです。
妊娠を計画中という段階では、妊活雑誌やインターネットを通して葉酸摂取の必要性を知っていても、産婦人科など相談できる窓口もなく、こういった自己判断をしてしまいがちです。
また、市販されている葉酸サプリメントによって、1錠あたりに含まれる葉酸量が違い、きちんと確認せず多く摂り過ぎていた、ということもあるのです。
決められた用法・用量は必ず守り、サプリメントのパッケージに記載されている栄養成分表示をしっかり確認し、過剰な摂取にならないよう注意しましょう。
さらに、サプリメントは自分で購入しなければなりません。
病院に受診して処方される薬は健康保険がききますが、サプリメントはそうはいきません。
サプリメントの価格はそれぞれで違いますが、妊活期間から服用することを考えると長期間になり、金銭的な負担は少なからずあると言えます。
先ほど、悪阻でもサプリメントなら服用しやすい、と述べましたが、サプリメントのなかには1錠が大きく飲み込みにくいもの、口に含むとすぐに溶けてしまうものもあって、なかには味が自分の好みではないものもあります。
こういったことを防ぐため、最初に購入する際には、いちどに複数個購入するのは避けたほうが良いでしょう。
サプリメントのなかには、着色料、香料、保存料などといった化学物質や添加物などをたくさん含んでいるものがあります。
こうした成分はパッケージに記載されている内容だけでも問題がないのか見定めることは難しいのですが、添加物が原因で自分そして赤ちゃんの健康を脅かす可能性もあるのです。
製造工程や使用している成分の産地、輸入先など詳細をホームページで公表しているメーカーもあるので、宣伝に惑わされず吟味することも大切ですね。
日本で胎児の障害リスクを低減できると考えられている栄養素は今のところ葉酸だけですから、しっかりと摂取することが大切です。
そのため、葉酸サプリメントのメリット・デメリットの両方を知ったうえで上手に活用したいものです。
そして、くれぐれも、サプリメントに安易に頼りすぎないようにしましょう。
葉酸以外にも自分自身の体にとって、そして赤ちゃんにとって必要な栄養素はたくさんあり、バランス良く、規則的に食事を摂ることが大切、という意識も忘れないようにしたいものです。