天然葉酸と合成葉酸の違いと特徴まとめ葉酸サプリどう選ぶ?
どういう違いがあるのかしら??
それに比べて「合成葉酸」は生体利用率80%と効率が良いし、厚生労働省も勧めてるからうまくサプリを活用するといいポヨ~
この2つ、同じ葉酸でも化学構造や身体の中での作用に違いがあります。
1.「天然葉酸」とは
いわゆる野菜や肉類に含まれている葉酸のことで、化学名を「プテロイルポリグルタミン酸」といいます。
難しそうな名前ですよね。
これは、プテロイン酸という物質にグルタミン酸がたくさんくっついたものです。
【プテロイン酸 + ポリ + グルタミン酸】⇒【プテロイルポリグルタミン酸】
になります。
実際にはこの葉酸は、食品中で糖やタンパク質などともくっついて存在していて、胃などで消化されていくうちに糖やタンパク質、グルタミン酸が外れていき、小腸で体内に吸収されます。
※「ポリ」とは、ギリシャ語で「多い」、逆に単体のことを「モノ」といいます。
例えば、白黒のことを「モノクロ」といいますが、色を一つしか使っていないことから「モノ」なんです。
そして、単体の物質のことを「モノマー」といい、「モノマー」がたくさんつながったものを「ポリマー」といいます。
たとえば、エチレンがたくさんつながって「ポリエチレン」といいます。
スーパーのレジ袋やごみ袋のことを、「ポリ袋」といいますが、この「ポリエチレン」が由来です。
化学式で見ると少し難しいですが、意外と身近に「ポリ○○○」ってありますね。
2.「合成葉酸」とは
人工的に作られた葉酸のことです。化学名は、「プテロイルモノグルタミン酸」といいます。
【プテロイン酸】に、一つの(「モノ」といいます)【グルタミン酸】がくっついたものです。
天然葉酸と違ってシンプルな構造になっています。
3.「天然葉酸」と「合成葉酸」の違いと特徴
「天然葉酸」と「合成葉酸」は、構造だけでなく性質も異なってきます。
天然葉酸は、実は私たちの身体への吸収率があまり高くなく、生体利用率は50%以下とされています。
対して、合成葉酸は生体利用率が80%とされており、効率よく葉酸を吸収できるのが特徴です。
参考:e-ヘルスネット 葉酸とサプリメント – 神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果
同じ葉酸と言っても、天然葉酸と、合成葉酸では吸収率が異なるので注意が必要です。
厚生労働省では、胎児の神経管閉鎖障害の予防のために、妊娠1ヶ月以上前から妊娠3か月までの間に1日あたり通常の食事で摂取する葉酸以外に、合成葉酸で400μgの摂取が望ましいとしています。
通常食事での葉酸摂取については、推奨量は1日に240μgとなっていますが、日本人の平均摂取量は304μgとっていると平成21年国民健康・栄養調査で結果が出ているため、栄養バランスのとれた食事をしていれば問題ありません。
妊娠の可能性のある女性はさらに400μgを合成葉酸から摂る必要があり、それをすべて天然葉酸で補おうとすると、毎日膨大な量のほうれん草(葉酸がたくさん含まれています)を食べ続けないといけなくなります。
天然葉酸は、名前の雰囲気からして、「身体によさそう」「赤ちゃんにも安心」と思われがちですが、天然葉酸だと吸収率の悪いものになってしまいますので、注意が必要です。
天然葉酸をうたっているサプリメントもありますが、国民生活センターの調査によれば、葉酸サプリメントに使われている葉酸は、生体利用率の高い合成葉酸で、食品中に含まれている天然葉酸が摂れるわけではありません。
サプリメントの中には、自然素材をうたったものがありますが、実際には合成葉酸が配合されていて、消費者の中には天然葉酸を摂れると誤解し、天然葉酸だと体内利用率が低いからとサプリメントを過剰に摂取してしまう可能性もあるので注意が必要です。