葉酸の流産防止への働き※原因別の予防効果について【先天性奇形流産・化学流産・稽留流産】
葉酸には、お腹の赤ちゃんの成長を助ける働きがあるから毎日葉酸サプリを飲んでる姿を見ているから安心ポヨ~!
だから、ちゃんと飲まないとね!
軽い下腹部痛があったり、つわりが軽くなったりすると、もしかして流産?と考えてしまうこともありますよね。
筆者もその一人でした。心配になるあまり、産院で見てもらったこともあります。
では、流産予防のためにママができることってあるのでしょうか?
実は簡単な方法があるんです!
それは…葉酸のサプリメントをしっかり続けることです。
1.葉酸の役割とは?
そもそも葉酸は、妊娠初期の必須栄養素のひとつです。
妊活中の女性や、妊婦さんにはおなじみの栄養素ですね。
葉酸の役割は主に3つあります。
赤ちゃんの先天性障害の予防や成長を助ける役割、血液を合成する役割、動脈硬化を防ぐ役割です。
この中で特に注目していただきたい役割は、赤ちゃんの先天性障害の予防と、血液の合成効果です。
この役割が、流産の予防に効果を発揮すると言われています。
2.流産ってなに?
流産という言葉は聞いたことがあっても、実はどんなことなのか知らない…という人もいるのではないでしょうか?
デリケートな話題なので、なかなか人には聞けませんよね。
そもそも流産とは、妊娠が継続できず赤ちゃんが死んでしまう状態のことを言います。
流産の原因は、赤ちゃんが原因になる場合とママの体が原因になる場合の、大きく2つに分けることができます。
もちろん赤ちゃんの染色体異常(ダウン症や21トリソミーなどの病気)など予防できない流産もありますが、妊娠前~妊娠初期にかけて葉酸を摂取することで、「先天性奇形による流産」「化学流産」「稽留流産」の確立を減らすことができると言われています。
3.先天性奇形による流産の予防
葉酸は、先天性奇形が原因の流産の予防に効果があると言われています。
そもそも葉酸は、妊娠12週までの神経管の発達に大きくかかわっている栄養素のひとつです。
葉酸が不足することで、二分脊椎や無脳症と言った神経管閉鎖障害の発生する確率が高くなります。
二分脊椎とは、脊椎の一部が形成されない病気です。
足の運動障害や、感覚障害(暑さや痛みを感じない)、排泄機能の障害などが見られます。
無脳症とは、赤ちゃんの脳がうまく発達しない病気です。
生命維持に不可欠な脳幹と呼ばれる部分も発達しないので、赤ちゃんはお母さんのお腹の中でしか生きることができません。
特に無脳症は、妊娠中に流産してしまう可能性が高い病気のひとつです。80%が流産や死産になるというデータもあります。
葉酸を摂取することで、これらの神経管閉鎖障害を予防することができ、結果的に流産予防につながると言われています。
実際に厚生労働省でも流産予防の葉酸の摂取を推奨しており、母子手帳にも記載されています。
海外の研究では、葉酸の摂取を行うことで、神経管閉鎖障害の発生するリスクを60~75%程度減らすことができるという結果が出ています。
妊娠を考え始めたら、積極的に葉酸の摂取を始めることが大切です。
4.化学流産の予防
葉酸は、化学流産の予防にも効果があります。
化学流産という言葉、妊活中の女性なら、一度は耳にしたことのある人が多いのではないでしょうか?
化学流産とは、受精卵が子宮内膜に着床したものの、発育がうまくいかず胎嚢が確認される前に流産してしまった、という状態のことです。
妊娠検査薬にうっすら反応があったけど、濃くならないまま生理が来てしまった…という妊活中によく見られる現象は、ほとんどが化学流産だと言われています。
そもそも人間は着床しにくい動物です。
タイミングがあっていれば、85%ほどの確率で受精することができるのですが、着床までうまくいく確率は20~30%です。
そのため化学流産は決して珍しい事ではなく、むしろほとんどの女性が経験していることです。
化学流産の多くが生理予定日前後に起こっているので、もちろん気が付かない場合も多いです。
そんな化学流産の原因は、ほとんどが受精卵の異常だと言われています。
葉酸には抗酸化作用があるため、質の良い卵子を作ってくれる効果があります。
また、子宮内膜を強化する作用もあるので、受精卵が着用しやすい環境を作る手助けを行うこともできます。
結果的に化学流産の予防につながるのです。
5.稽留流産の予防
葉酸は稽留流産の予防にも効果があります。
稽留流産とは、お腹の中で赤ちゃんが死んでしまい、そのままとどまっている状態のことを言います。
自覚症状はほとんどないため、妊婦健診で発覚するケースが多いです。
お腹の中に胎盤などの赤ちゃんの組織が残っているため、つわりなどの妊娠初期症状も続いている場合もあります。
稽留流産が発覚したら、早めに処置を行います。
処置には時間はさほどかからない場合が多いです。
稽留流産の原因は、受精卵の染色体異常や、発達の異常、胎盤の形成不全など様々です。
ほとんどが赤ちゃん側の原因で、母体が原因のケースは少ないと言われています。
しかし、やはり稽留流産になるとママは自分を責めてしまいます。
体を動かしすぎたかな…とか、重たいものを持ったから…など自分の行動が悪かったのかもと、後悔してしまう人も多いです。
しかし稽留流産は決して珍しいものではなく、仕方ないものなのです。
では、なぜ葉酸が稽留流産予防に効果的なのでしょう?
葉酸の役割のひとつに、血液の合成を助ける作用があります。
妊娠初期は赤ちゃんに必要不可欠な胎盤を作る時期です。胎盤を作るためには栄養満点の血液がたくさん必要なのです。
前述した稽留流産の原因のひとつに、胎盤の形成不全がありましたね。
妊娠初期に葉酸をしっかりと摂取することで、血液の合成がしっかりと行われます。
その結果、胎盤の形成に必要な血液量が十分に確保され、丈夫な胎盤を作ることができます。
このことから、葉酸をしっかり接種することで、稽留流産の確立を減らすことができるのです。
このように、葉酸は流産の予防にも効果的な栄養素です。
特に妊娠初期はとても大切な時期です。しっかりと飲み続けるようにしましょう。