葉酸とは?妊娠中胎児の成長に効果的なので必要と言われる4つの理由
葉ちゃん、わかる??
葉酸はこんな感じの栄養素ポヨ!
・ほうれん草から発見されたビタミンB郡の一種
・細胞の生成や再生を助ける成分
・赤血球の生成で貧血改善
・水や熱に弱い摂取が難しい成分
詳しくは、下に書いたから読んでほしいポヨ~
目次
1.葉酸とは
葉酸は1940年代に、ホウレン草から発見されました。
生命維持に必要な13種類の必須ビタミンのひとつで、ビタミンB群の一種です。
葉酸は代謝に関わりが深く、タンパク質や核酸の合成に働いて細胞の生産や再生を助け、体の発育を促してくれます。
葉酸の働きを下記に述べます。
(1) 核酸(DNA・RNA)の合成
核酸とは、遺伝子情報をもつDNAと、体内でタンパク質を合成するRNAで構成された細胞の核にあたるものを指します。
葉酸は、この核酸の生成に重要な役割を果たしています。
(2) 細胞分裂を促進する
人間の身体は約60兆個の細胞からなり、細胞が分裂と増殖を繰り返すことで生命を維持しています。
細胞はDNAが複製されて分裂することで増えていきます。
このとき、正確に複製するために必要になるのがタンパク質です。
タンパク質は食事で摂取した後、20種類のアミノ酸に分解され、DNAの指示によっていくつもの種類のタンパク質に再構成されます。
葉酸はこのタンパク質が作られる際に欠かせない栄養素です。
(3) 赤血球の生成
葉酸は「造血ビタミン」とも呼ばれ、ビタミンB12とともに血液中の赤血球を作る役割を担っています。
葉酸が不足すると赤血球を正常に作ることができなくなり、貧血の原因になります。
(4) 動脈硬化を防ぐ
最近の研究で、血中に含まれる「ホモシステイン」というアミノ酸の量が多くなると血管の柔軟性が失われ、動脈硬化のリスクが高まることがわかってきました。
葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6にはこのホモシステインの血中濃度を下げる働きがあり、動脈硬化によって生じる心臓疾患や脳梗塞などの予防に効果が期待されています。
このように葉酸は私たちの体内で重要な働きをしています。
もし葉酸が欠乏すると、正常な赤血球が作られず、貧血(動悸や息切れ、全身倦怠感)、動脈硬化などを引き起こすリスクが高まります。
また、細胞分裂に支障をきたすので、免疫機能や消化管機能が低下し、口内炎や舌炎、胃や十二指腸潰瘍などが起こりやすくなるのです。
このように葉酸はどの年代にも必要な栄養素ですが、特に妊娠中には葉酸の摂取は必須と言われています。
胎児の細胞分裂が盛んに行われている妊娠初期(4週~12週)に母体の葉酸が不足していると、先天異常である神経管閉鎖障害を発症するリスクが高くなることがわかっています。
この神経管の下部に閉鎖障害が起きた場合は二分脊椎を引き起こします。
二分脊椎は脊椎の中にあるべき脊髄が外に飛び出してしまう状態で、腰部中央に腫瘤を認め、生後に歩行や排泄機能といった障害が残ることがあります。
また、神経管の上部に閉鎖障害が起きた場合、脳が形成不全となり無脳症となります。
無脳症ではおなかのなかでそれ以上育つことができずに、残念ながら流産や死産となってしまうリスクもあるのです。
厚生労働省による日本人の食事摂取基準(2015 年版)では、葉酸の摂取量を以下のように推奨しています。
妊婦、授乳婦では、通常よりも多くの葉酸を摂る必要があり、母子手帳にもその旨が記載されています。
葉酸の食事摂取基準(女性)
- 18~49歳: 240μg/日(0.24mg/日)
- 妊 婦: 480μg/日(0.48mg/日)
- 授乳婦: 340μg/日(0.34mg/日)
ビタミンは、水に溶けやすく不要な分は尿などで排泄されて体内に留まらない「水溶性ビタミン」と、油脂やアルコールに溶けやすく身体に蓄積される「脂溶性ビタミン」に分類されますが、葉酸は水溶性ビタミンです。
葉酸は体に蓄積しないので、毎日摂ることが大切です。
2.葉酸を含む食品とは
葉酸普及研究会によると、葉酸を多く含む食品は緑黄色野菜のホウレンソウやグリーンアスパラガス、ブロッコリー、いちごなどの果物、鶏・豚・牛などのレバーなどです。
レバーは中でも100gあたり1000μg(1.0mg)とたくさんの葉酸を含み、ホウレンソウ(ゆで)では100mgあたり110μg(0.11mg)の葉酸を含みます。
食品に含まれる葉酸は消化吸収されて、生体利用率は全体の50%程度と言われています。
また、葉酸は熱に弱く、水溶性ビタミンであるため、ゆでるとゆで汁に溶出してしまい、調理によって失われてしまいます。
諸外国では葉酸不足を回避するため、食品に葉酸を添加することが法律で義務付けられている国もあり、神経管閉鎖障害の減少に一定の効果を発揮しているようです。
一方、日本では食品への葉酸添加は義務化されていません。
しかし、日本でもいくつかの食料品会社が自発的にシリアル、乳製品、キャンディーバー、クッキーなどに葉酸添加をしています。
それでも、葉酸の生体利用率が50%程度であること、熱に弱いという特性から、葉酸を多く含む食品を積極的に摂取していても、必要量をカバーすることはなかなか難しいと言えます。
特に妊婦では推奨される葉酸の摂取量が通常の2倍に増えますので、確実に摂取するにはサプリメントを上手に利用することが大切です。
アルコールをよく飲む方や喫煙をしている方では、葉酸不足に注意が必要です。
アルコールや喫煙は体内で葉酸の吸収や代謝を妨げると言われているからです。
せっかく葉酸を摂取しても無駄にしてしまうことになるので、注意が必要です。
引用: 葉酸普及研究会│葉酸Q&A