葉酸と一緒に摂ると効果的な栄養 ビタミンB12で貧血予防対策
葉ちゃん、いろいろ教えてくれてありがとう!
他にも何か必要な栄養があるの??
葉酸サプリには一緒に含まれている商品もあるから、栄養素は確認してから購入するといいポヨ!
1.葉酸とビタミンB12の関係
葉酸は妊活中や妊娠中、授乳期間に欠かせない栄養素ですが、葉酸だけ摂取していれば充分というわけではありません。
なかでも同じ水溶性ビタミンである「ビタミンB12」と「葉酸」は互いの役割を補い合う関係があります。
葉酸が造血ビタミンと呼ばれ、赤血球を作り出しますが、ビタミンB12も同様に「造血ビタミン」であり、葉酸の働きをサポートしてくれているのです。
ですから、貧血予防において葉酸だけではなく、ビタミンB12も併せて摂取しなくてはなりません。
貧血には血液中の鉄分(酸素の運搬に関与する)が不足して生じる「鉄欠乏性貧血」と、赤血球の生産に必要な葉酸及びビタミンB12の欠乏で生じる「巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)」などがあり、ここでは後者について少し解説しておきましょう。
葉酸とビタミンB12は、骨髄にある造血細胞が赤血球を作るのを助ける働きがあり、これらが不足すると赤血球をうまく作れなくなります。
そして、赤血球になりそこねた細胞が肥大化し、「巨赤芽球」となります。
この巨赤芽球は酸素の運搬といった本来赤血球が行っているはずの役割を果たせず、貧血を起こしてしまうのです。
葉酸を充分摂取していても、ビタミンB12が欠乏すると葉酸の利用が障害され、巨赤芽球が出現することがあります。
巨赤芽球性貧血は、貧血の中でも発症頻度は高くありません。
しかし、妊婦の場合は胎児の成長のため葉酸が使われます。
葉酸やその働きをサポートするビタミンB12の需要が高まり、母体の葉酸及びビタミンB12が不足しがちとなり、巨赤芽球性貧血を起こすことがあるのです。
妊娠中の貧血を予防するには、葉酸に併せてビタミンB12も摂取する必要があるのです。
2.ビタミンB12の摂取量は?
では、ビタミンB12はどのくらい摂取する必要があるのでしょうか?
厚生労働省による日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、19~49歳の女性におけるビタミンB12の摂取推奨量は2.4μg/日で、上限量はありません。
引用:日本人の食事摂取基準(2015年版)(PDF)
ビタミンB12は魚、肉、鳥肉、卵、牛乳、乳製品などの動物性食品に多く含まれます。
植物性食品にはビタミンB12が一般的にみられないので、注意が必要です。
多く含む食品としては、レバー(一食分)に70μg、卵1個(全卵、ゆで)に0.6μg、牛乳1杯(低脂肪)に1.2μgなど、動物性食品を食べている限りは不足することはあまりありません。
引用URL:「統合医療」情報発信サイト
3.ビタミンB12が不足しやすい人は?
ビタミンB12欠乏症の主な原因には、食事からの吸収不全、悪性貧血、術後の吸収不良、食事からの摂取などがあります。
萎縮性胃炎の人(高齢者にしばしばみられる)、セリアック病やクローン病などの胃及び小腸の疾患を有する人、胃の全摘または部分切除などの消化管の外科手術を受けたことがある人では、ビタミンB12の吸収に支障をきたします。
これは、ビタミンB12が食品中ではタンパク質と結合しており、胃内で胃酸およびタンパク分解酵素の活性により遊離し、吸収されるのですが、上記の疾患や胃の提出をうけているとこの胃酸およびタンパク分解酵素の働きが充分ではないためです。
こうした疾患を持つ場合には、筋肉注射でビタミンB12を補充する必要があります。
また、天然のビタミンB12供給源は動物性食品に限られるため、厳格な菜食主義者や完全菜食主義者では、ビタミンB12欠乏症の発現リスクがきわめて高くなります。
ビタミンB12は、妊娠中は胎盤を通過し、授乳期には母乳中に移行します。
動物性食品を全く摂取しない女性から母乳のみで育てられる乳児は、母体からのビタミンB12供給が乏しく、生後数カ月以内にビタミンB12欠乏症を発症することがあり注意が必要です。
米国では、妊娠中および授乳中のいずれの期間も、胎児や乳児へ十分なビタミンB12が確実にいきわたるよう、完全菜食主義者や乳卵菜食主義者に対し、ビタミンB12サプリメントの摂取を推奨しているそうです。
引用URL:「統合医療」情報発信サイト
ダイエットなどで野菜中心の食生活をおくっている場合、悪阻で食事が充分にとれていない場合には、ビタミンB12不足となっている可能性があるので、注意しなくてはなりませんね。
4.ビタミンB12の役割
ビタミンB12は、正常な赤血球細胞の形成、神経機能、DNA合成に必須な栄養素です。
ビタミンB12欠乏症では、巨赤芽球貧血、疲労感、衰弱、便秘、食欲不振、体重減少が生じやすくなります。
また、ビタミンB12は神経細胞に多く含まれ、中枢神経や末梢神経系の修復・保護を担い、機能を正常に保つ役割を果たしています。
そのため、ビタミンB12の欠乏で手足のしびれ、腰痛、肩こり、イライラや集中力の低下、不眠といった神経症状が出現する可能性があります。
これは葉酸欠乏症では見られない症状です。
さらに最近、ビタミンB12は葉酸と協働して心臓病や脳卒中の予防に効果を発揮することがわかってきました。
ビタミンB12と葉酸には、ホモシステインという、血液中に堆積して動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞などの心臓病や脳卒中を招く危険因子とされる物質の血中濃度を減少させる働きがあるのです。
引用URL:「統合医療」情報発信サイト
一般に、極端な菜食主義者でなければ、ビタミンB12不足は起きないと言われていますが、摂取上限量がないので、ちょっと食生活が不規則な方、野菜中心の食事をしている方ではサプリメントや朝食用のシリアルで補充しても良いのではないでしょうか?
葉酸と併せて摂りたい栄養素をご紹介しました。
葉酸、ビタミンB12が充分でも、血液中で酸素を運搬する鉄分が不足していると貧血(鉄欠乏性貧血)を起こしやすくなるので、注意が必要です。
また、葉酸やビタミンB12以外にも、自身の健康のため、また妊娠中では胎児の成長・発育にはさまざまな栄養素が必要ですから、偏りのないバランスの良い食事を心掛けたいものです。